僕は実家へほぼ毎日、顔を出すのだけれど、
自宅と実家への経路はいくつかあり、
住宅街を通る道の他に、
リンゴ畑沿いの道もあるのです。
今の時期、
リンゴ畑沿いの道を通ると、
岩木山を背景に、
もうすぐ収穫期を迎えるリンゴたちが
たわわに実っている姿を目にします。
この写真の右側にリンゴの木が並んで植えられています。
リンゴの木の下に敷かれているシートは、
太陽光を反射させてリンゴの色づきを良くするためです。
そして、もう一つ、リンゴの色づきを良くするために、
リンゴの実のまわりの葉を取り除いています。
このリンゴ木の実の周りに葉が少ないのが、
次の写真を見て比べてもらえれば分かると思います。
葉を取って色付けを良くしているリンゴは
「サン○○」と呼ばれるリンゴで、
例えば品種名「ふじ」なら「サンふじ」と言います。
葉が付いたままの方は
「葉とらず○○」と呼び、
品種名「ふじ」なら「葉とらずふじ」と呼びます。
どちらも「ふじ」と呼ばれる品種のリンゴを
どういう栽培方法で育てたかで名称が異なるということになります。
上記二つの「サンふじ」と「葉とらずふじ」は
収穫前に袋を掛けない無袋栽培で、
有袋栽培した「ふじ」もあり、
一般的には有袋栽培の「ふじ」を「ふじ」と呼ぶことが多いです。
このリンゴ農家さんは、
ちょうど、有袋栽培の「ふじ」と
無袋栽培の「サンふじ」を
並列で栽培していました。
僕はリンゴ農家ではないのでそれほど詳しくはないですが、
母の実家はリンゴ農家でしたし、
周りでもリンゴ農家さんが多いので、
聞きかじった程度での知識で解説してみますと、
見た目の良さ順は
有袋栽培の「ふじ」> 「サンふじ」> 「葉とらずふじ」
糖度の高さ順だと
「葉とらずふじ」> 「サンふじ」> 有袋栽培の「ふじ」
となります。
見た目の良い有袋栽培の「ふじ」は、
主に贈答用のリンゴとして出荷されます。
手間もかかるので価格が高めになっています。
見た目が良くなくても味重視で選ぶと
「葉とらずふじ」や「サンふじ」となります。
「葉とらずふじ」の方が葉を取らない分、
葉が栄養分を実により多く運ぶことにより
糖度が高いリンゴになると言われています。
しかし、「葉とらずふじ」も
葉を取らない中でも色づきをある程度良くするなどの手間が
かかるのだそうです。
ですので、僕が見ている限りでは、
どちらの無栽培法を取っているのが多いかと言うと
手間が少ない「サンふじ」が多いように見えます。
おそらく「サンふじ」が一番流通量が多いのではと思います。
僕が近所のリンゴ農家さんなどから頂いたり、
あるいは買ったりして食べるリンゴも、
ほぼ「サンふじ」です。
みなさんの近くのお店で売られているリンゴの「ふじ」や、
ネット通販で売られている多くのリンゴ「ふじ」も、
「サンふじ」が多いと思います。
先程の写真のリンゴ農家さんもそうですが、
リンゴ農家さんは贈答用の有袋栽培の「ふじ」と
「サンふじ」「葉とらずふじ」を並列栽培している場合が多いです。
それと、最近、増えてきているなと思う栽培方法に
リンゴの木を大きく育てない、
小ぶりのままにしておく、
という栽培方法があります。
こういう感じに、
背を高くしない、枝を横に広げない、
そういう栽培法の木を見かける機会が多くなっています。
リンゴの木を小ぶりに維持する分、
植える間隔は狭くしています。
背が高くないと収穫時に梯子を使う必要がない、
あるいは梯子を使う機会を少なくできる、
そうすると収穫のスピードが上がる、
収穫時の身体的な負担が少ない、
梯子から落ちてケガをする危険性も少なくできる、
という利点があるのだと聞いたことがあります。
1本のリンゴの木からの収穫量は減っても、
リンゴの木の数を増やせるので、
園地全体での収穫量はあまり変わらない、
と言うことで取り入れているリンゴ農家さんが増えているみたいです。
リンゴ園での作業時に梯子から落ちてケガをする、
あるいは死亡するという事故が毎年あるようですので、
作業時の安全面を考えても
こういう新しい栽培方法はとどんどん広がっていくのではないかと思います。
■今までの1本で多く収穫する栽培方法のリンゴの木
枝が横にも広がっていますし、高さも梯子が必要な高さです
■小ぶりの木のままに制御する栽培方法のリンゴの木
リンゴ栽培についてのうんちくはこれくらいにして
このように青森のリンゴはもうすぐ収穫を向かえようとしています。
近頃は、リンゴの皮をむくのが面倒という人が増え、
リンゴの消費量が減っていると聞きます。
リンゴを食べると便通も良くなりますし、
「1日1個のリンゴは医者いらず」
とも言われているようですので、
是非、どうぞ~(^^