僕は青森県に住んでいて、
中でも津軽地方に住んでいますので、
自宅周辺も実家の周辺もりんご畑・りんご園が多いのです。
そして、ここ5年・6年のことですが
春になると林檎の木が伐採されるのを見る機会が多くなっているのです。
りんご農家さんも他の農家さんと同様に高齢化が進んでいます。
子供さんは後を継がない場合が多いのです。
親御さんも継いでほしいとはあまり思わない人が多いらしいです。
手間暇がかかるわりには収入が少ないし、
その上、その年のりんご売買の相場によって収入変化もあり安定しないし、
寒い日も、雨の日も、風の日も仕事に行かなければいけない場合もあるし、
せっかく育てたりんごが台風で落ちてしまったり、傷ついでしまったりすることもあるし、
こんなんだったら安定した勤め人の方が断然良いよ、と思う人が多いのです。
親から受け継いだ仕事だから今までやってきたけれど、
子供にはもっと楽で安定した仕事をして欲しいと思っている人が多いのです。
だから70代、80代になって体力が落ちてきて、
これ以上続けるのは無理かなという人は、
子供に継がせないで離農ということを考えるらしいのです。
その考えるのが冬の間で、
春になると辞めると決断した人たちのりんご畑では
林檎の木が伐採されるのです。
りんご栽培をやめるという決断において、
必ずしも伐採だけがあるわけではなく、
畑を貸して栽培してもらう、
もっと手広くりんご栽培をした人や会社に畑を売る、
という選択肢もなくはないのですが
ここ5・6年においては伐採されるのを目にする機会が多くなっているということは
貸すことも売ることもせずに離農するという人が増えているということなのだと思います。
(これはあくまで推測ですが、知り合いのりんご農家さんの話を聞くとそのようなのです)
ここ5・6年は、毎年春になると、
「あっ、ここの畑、りんごの木を切ってる」
という光景を必ず目にするのです。
住宅地に近い場所の畑なら、
伐採した後に更地にして住宅地として売れますし、
実際に若年層家庭向けの建売住宅として売りに出される例も少なくありません。
でも、少し、住宅街から離れると
更地になってもそのまま放ったらかしになっています。
ここまで書いてちょっと気になってデータを調べてみました。
『一般社団法人青森県りんご対策協議会』のウェブサイトで
青森県のりんご栽培面積と生産量の推移を見てみたのです。
そうしたら、
栽培面積はここ20年ほど20,000ヘクタール前後であまり変わっていないし、
生産量にいたっては30年以上4000トンから5000トンの間での上下はあるけれど、ほぼ安定しているのです。
ということは、
林檎の木が切られてしまっているリンゴ畑が増えているのは、
僕が住む地域周辺に限ったことなのか?
そういう訳はないはずなのだが…。
だって、他の地域でも、クルマを運転していると、
林檎の木が切られた畑を目にすることが増えているし。
なんか腑に落ちない。
僕が目にする光景と現実の数字が合わないのはなぜだろう。
とにもかくにも、
私が住む地域では現実として、
ほぼ毎年、春になると林檎の木が切られて、
更地となる元リンゴ畑が増えているのです。
写真を撮ってきてみましたので
興味がある方はご覧になってみてください。
このページの最初にあった写真の左側はこのように更地になっています。
ここは昨年か一昨年に林檎の木が切られて更地になりました。
今年の春、上記写真のように、さらに林檎の木が切られています。
違う畑も↓
切り株を見ればわかるように
最近伐採された林檎の木です。
ここのりんご畑はサッカーコート2つ~3つ分くらいあるでしょうか。
より全体像が分かる写真が↓です。
かなり広い面積なのが分かると思います。
こちらは昨年の春に伐採されたりんご畑↓
この写真では広さが伝わりづらいですが
サッカーコート3枚分は優にあります。
この更地の左側も奥側も右側もりんご畑です。
こんなに広いのだから何かに使えるのではないかと思えます。
遊ばせておくのはもったいないくらいです。
例えば、ドローンの練習場とかだとこのままでも使えそうです。
ちなみに宅地として販売するには不向きな場所です。
こちらも昨年の春に林檎の木が切られた畑です↓
こちらのりんご畑はそれほど広くはありません。
テニスコート2枚分くらいの広さです。
根から30センチくらい上のところで切られていて、
切り株がそのまま残っています。
かなり雑な切り方です。
とりあえず切るだけ切っておいたという感じです。
園主が年老いていて値を掘り起こして更地にする体力がないのかもしれません。
(推測です)
さらに別な場所にも昨年春に伐採したりんご畑が↓
こちらも広いリンゴ畑で
サッカーコート2面くらいはあるでしらょうか。
ここは住宅が見えるように、宅地として販売できそうな場所です。
↑の写真のすぐ近くに
↓の写真の元りんご畑もあります
ご覧のとおりかなり広いです。
サッカーコート3枚はとれそうな面積です。
向こうに住宅が見えるように、宅地としての需要も高そうな土地です。
しかし、4・5年前に林檎の木が伐採されたままずうっと更地のままです。
↓こちらは自宅の裏側に見える元りんご畑です
こちらのりんご畑は2017年の春に林檎の木を切ったのでした。
テニスコート3枚は取れそうな広さです。
林檎の木がまだ9本ほど残っています。
切られた林檎の木はその2倍以上くらいです。20本近くです。
切った2017年は残った9本のりんごの木は実をつけて収穫までしていました。
それと、空いた場所に葡萄の木を植えていました。
その名残りのポールが何本も立って残っています。
しかし、2018年には、葡萄は栽培されず、9本の残ったりんごの木は実を付けましたが、収穫されることはありませんでした。
おそらく園主の方が畑に来れる状態ではなくなったのでしょう。
年老いて体力がなくなったか、病気になられてしまったのか。
そして、昨年の2019年には、残っていた林檎の木の枝を落としてしまい、林檎の木は幹だけが残り、裸の木のようになっていました。もちろん実は一つも付けませんでした。
なんだか、さみしいような、かわいそうな光景だったのを覚えています。
だけど、林檎の木というものは生命力が強いのか、一年で枝が伸びて、春に裸の木になったとは信じがたいくらいになったのです。
写真でも枝がついているのが見えると思います。
でも、昨年の春は、枝が一本もない裸の幹だけだったのですよ。
今年はどうするのでしょう。
これらの写真に撮った林檎の木が切られてりんご畑は
すべて1キロメートル四方にあるのです。
これだけ、私が住む地域ではりんご畑の消滅が続いているのです。
おそらく、この先5年、10年のうちに、
すごいスピードでリンゴ畑の面積が減少していくのではないかと危惧されます。
でも、そうなればそうなったで、
青森ブランドのりんご生産量が少ないということで希少価値が生まれ、
特に青森りんごのブランド価値が今でも高い台湾や香港では高値で売れるのかも。
そうなれば、リッチなりんご農家さんもあちこち誕生するかも?
今日の岩木山
今日も岩木山の写真を撮ってきました。
りんご畑の写真を撮りに行ったついでに撮った岩木山です。